Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

頭痛のRed Flag Sign

頭痛のRed flag signおよび疑わしい疾患は? (文献1,2, 3)

 

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【ステップアップ】

上記が身についたら、下記も忘れぬように!! 

鑑別に思いつかないものは診断できない(文献1)

  • 側頭動脈炎

側頭動脈部の拍動性の頭痛

早期に認識してステロイド治療を行わなければ失明のリスクあり!!

霧視、光の周りにhaloが見える. 

 

繰り返しになるが、ひとつしか覚えられないのであれば(=最重要事項は)下記

’Thunderclap headache’

=雷に打たれたような「突然発症の」「人生最悪の」頭痛を見たら

くも膜下出血かもしれないと思え」。

 

問診力も不可欠な臨床能力。

「急に起こりましたか?」では不合格。

頭痛が起こった時に何をしていましたか?」と聞くこと。

(「朝ご飯の準備をしているころだったと思うのですが、、、」は「急性発症」の可能性が高く、

冷蔵庫からお味噌を出した時に『ガンっ』と殴られたような痛みがきて、お味噌を下に落としてしまいました」的な、「その瞬間を覚えている」のが「突然発症

(もちろん、We can never say never in medicineなので、100%とは言えないことも念頭に置きつつ)

 

文献

1 Pocket Primary Care 9-9

2 In the Clinic, Migraine. Ann Intern Med. 2017;166(7): ITC49-ITC64.

3 In the Clinic, Migraine. 日本語版:  2018-2019にUpload予定!! 

 

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お久しぶりです。

いろんな業務が増えすぎて、ブログが停滞していましたが、セミナーなどでお会いする方々に「ぜひ再開を」とうれしいお声がけを多数いただき、再開することにしました。

最近(2018/9/29-30)、JHN-Mayo Clinicジョイントセミナーで黒川勝巳先生の講義を聞かせていただき、上記と同じ「頭痛のRed flag」を大変わかりやすく教えてくださり、良い臨床はやっぱり「基本・シンプル・最重要事項を繰り返し」ということを再認識してうれしくなりました。

黒川先生の最新刊 神経症状の診療に自信がつく本 

 

今回の記事(頭痛のRed Flag Sign)は、ACP日本支部年次総会(2018/6/2-3)のIn the Clinic×5分間ティーチングコラボWSの時に作成した型の一つです。今回から数回は、このWSの時の型を紹介してゆきます(これも「ぜひ公開してほしい」と参加できなかった方からのうれしいプレッシャーのもと)。

 

ACP日本支部の企画:In the Clinic翻訳プロジェクトも、着々と進んでいます。別稿 <<番外編>>In the Clinic翻訳プロジェクト(20181009公開)参照ください。