最近、基本に帰ってHistory takingを教える場面がありました。
うちの若手への共有ついでに、
私が一生ものだと思って使っている『問診の型:SIQOR AAA PT』を書きます。
病歴聴取 SIQOR AAA PT
S : Site, 場所
I : Intensity, 痛みの強さ 10段階のpain scale
Q : Quality, 痛みの性状
O : Onset
私はここに 間欠的な症状の時はFODを追加して使っています。
F : Frequency , O : Onset , D : Duration
R : Radiation, 放散痛
A : Aggravating factors, 増悪因子
A : Alleviating factors, 緩解因子
A : Associated symptoms, 随伴症状
P : Previous similar episodes, 以前の類似エピソード
T : Treatment at that time ,その時の 治療
胸痛のOPQRSTや、問診の「型」はいろいろあると思います。
別にどれを使うのがいいというこだわりは私は全くありませんし、今使っている型が身についているなら、それを続けて使うので良いと思います。
ただ、私自身が卒後9年目にUSMLE Step2CKを受けた時に「あらゆる症状に最も時短に対応できるためには一つの型に絞った方がいい」と痛感しました。
でないと必ず何か抜けますし、何よりスピードが追いつきません(=平たく言うと、Step2CKの時間内に抜けなく問診・カルテ記載が終わりませんでした)。
それに主訴は何十種類もあります。「それぞれの型」を、記憶力の弱い私は絶対に覚えられません。
その時に出会ったのが上記です。私は今も上記を使っています。米国内科レジデンシーの限界の仕事量を要求される病棟月・夜勤月・ICU月も、上記が私を助けてくれました。
例えば前に書いた頭痛・Red flag signであれば、SIQORAAAPTの中の
Associated symptomsのところで「熱出てないですか、物が二重に見えたり見えにくかったりしないですか、吐気は?吐いてないですか?眼はいたくないですよね?」を聞くことを思いつけると思います。
頭痛以外にどう使うかですか?
それはうちに合流してもらえればシェアします(笑)
※SIQOR AAA PTは、
sicker AAA patient (より重症な腹部大動脈瘤の患者)のスペルを語呂合わせ用にもじったものです。