総合内科医として知っておくべき、HCVのスクリーニング・治療の型:
IFN中心の旧来の治療では、SVR(注1)達成率は半分以下だったが、
新規抗ウイルス薬の開発により、SVR達成率は95%以上に(文献1、注3)
(しかも、内服薬×8~12週間のみで!!(文献1、注3))
∴ HCV症例を認識することが重要.
肝炎検査を受けたことのない患者さんを診たら、HCV検査を勧めること
リスクファクター:
血液への曝露歴(注射針使いまわし注2、輸血歴など)、男性同性愛者など
日本では、リスクファクターに関わらず、全国民が一度は肝炎ウイルス検査を受けることを勧めている(文献2、3)
注1 SVR: Sustained virological response 持続したウイルス学的持続陰性化
注2 注射針使いまわしは、米国で問題になっている注射薬物乱用(ヘロイン)のみではなく、日本で以前に行われていた予防注射針の使いまわしも含まれる.ゆえに日本ではリスクファクターで選別するのではなく、全国民が一度は肝炎ウイルス検査を受けることを勧めている。
注3:In the ClinicのArticleの出版時点では、SVR達成率90%以上、治療期間8~24週と記載されていたが、新たなレジメも追加され、SVR達成率は95%以上、治療期間レジメは8~12週間となっている (専門監修大崎往夫先生よりコメント2018年5月現在)
文献
1.In the Clinic Hepatitis C Virus. Ann Intern Med. 2016;165(5):ITC33-ITC48.
2.ITC HCV 日本語版:Annals of Internal MedicineWPに日本語版掲載中!!! http://annals.org/aim/fullarticle/2679145/hepatitis-c-virus-japanese-version
3.厚生労働省Webpage、肝炎ウイルス検査:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/hepatitis_kensa.html
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In the Clinic翻訳プロジェクト→ ACP日本支部年次総会で行った5分間ティーチングWSの時に作成した型シリーズです。
HCVに対する抗ウイルス薬を、私自身が処方する機会は全くありませんが、「この人はHCVを検査したことがあるかな」と気付いてあげられることは、誰かの人生を変えてあげうることなので、知っていなければならない知識だと思います。
妊娠出産したことのある女性、胃カメラ・大腸ファイバーなど検査前は、感染症スクリーニングを受ける機会になりますが、それらがないままの人もいると思います。
今回の覚えないといけないことは下記のみです。
HCV抗体検査を受けたことのない人には検査を。