Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

入院時指示の型_ADCVADIMAL

入院時指示の型=日々のラウンドの把握すべきことの型 

私はADCVADIMAL Callで覚えました。

 

A:Admit to (入院科、病棟)

D:Diagnosis (入院時診断)

C:Condition (状態:stable, unstable, critical など)

V:Vitals (バイタル測定指示、q4hr、4検など。体重測定、血糖測定も)

A:ADL (安静度)

D:Diet (食事、絶飲食、経管栄養など)

I:Ins & Outs 

   In:点滴指示

   Outs: 尿測、あらゆるドレーン、NGチューブ、ストマ、

M:Meds (内服薬、点滴抗菌薬など)

A:Allergy  (アレルギー)

L:Labs & images (採血、レントゲン、EKGなどの指示)

Call: コール基準

   HR, BP(+昇圧剤上げ下げ指示)
   
BT(熱発時指示)
   
SpO2(+O2上げ下げ指示)
   
血糖(+スライディングスケール指示)など

 

 

当院、この連休中に電子カルテ導入になりました。

「産みの苦しみ」でいずれは元よりも楽になるはずだと信じたいのですが、「どこに何があるのかわからない(=実際にない!! 体重が看護師さんは測定して入力したはずなのだが表示されない。血糖が表示されない。現在の内服薬が反映されない)」ことに日々看護師さんとともに皆で格闘しています。

 

そのときに、久しぶりにシアトルでの共通言語だったADCVADIMAL callを思い出し、実際に自分を助けてくれました。

「私がほしい情報」が自分の中に型としてあって、それを探しに行くことが自分を/自分の診療を守ってくれることをこの数日、痛感しています。

 

また、研修医1年目を見ていて、日々の患者把握で「どの情報をとってきたらいいのか/把握すべきなのか」はほぼ上記(+もちろん診察)であり、そういう意味でも使うべき型と思います。

 

 

研修医の先生、聞かれること(=指導医が聞きたいこと=把握すべきこと)とほぼ同じでしょ?

D:診断は?

C:で、状態良くなってるの?悪くなってるの?

V:バイタルは?熱は?血糖は?体重は?

A:今、リハでどれくらい動けてるの? ジムリハできそう? 
  トイレまで歩けてる? 家、帰れそう?

D:ご飯、何をどれくらい食べられてる? 嚥下は? 

I:In &Outどう?

 尿でてる? 
 膿瘍ドレナージから昨日何ml出た?色は?
 NGからの排液は?色は(赤い?黒い?胃液様?) 
 ストマから排便/排ガスあった?
 ドレーン、全部で何本?それぞれどこに入ってるの?

M:今の内服は? (+もともとの内服は?)

  今の点滴は?

L:採血結果は? EKGどうだった? レントゲン良くなってる?

Call:何かバイタル指示引っかかって呼ばれた? 

 

RIMEで、まず研修医/シニアの先生は、確実なReporterにならないと話になりません。

ぜひ、使ってください。

 

RIME 

R: Reporter

I: Interpretor

M:  Manager

E:  Educator