Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

伝染性単核球症の型

伝染性単核球症(疑い)の型:

 

EB virus , infectious mononucleosis 疑いで、実務を回す上で記憶せざるを得ないことだけ「型」にして書きます。

 

EB virus, infectious mononucleosis(疑い)の型

ゲシュタルト:若年者(15~25歳ピーク)、発熱、咽頭痛・扁桃腫大、しんどい、肝脾腫、異形リンパ球

 

・診断は下記

症状/所見

  • 発熱
  • 咽頭痛/扁桃腫大
  • 頸部リンパ節腫脹(特に後頚部=全身性のリンパ節腫脹)
  • 肝腫大
  • 脾腫
検査所見:
  • 異形リンパ球↑、肝酵素

抗体検査:当院(聖マリアンナ横浜市西部病院)では下記3つを提出 ※

  • VCA-IgM:急性期感染 (感染後3ヶ月くらいで陰性化)
  • VCA-IgG:既感染   (感染早期から上昇するが、回復期により上昇)
  • EBNA抗体:感染後に上昇。約6-8週間後に陽性になる=既感染の指標
 
ABPC, AMPCで皮疹 (Strep throat疑いで処方するときに注意)
Contact sports禁を説明し記録(∵脾腫→脾破裂)
 
鑑別: Strep throat (A群β溶連菌咽頭炎)、CMV、HIV、HHV6、Lymphomaなど

 

 
EA抗体:急性期の終わりごろから陽性に、数ヶ月で陰性化。急性感染の指標となるが、感度低い。当院は使っていない。
 
上記は、私が自分のためにEvernoteに作っているノートの一つです。
単純記憶(抗体検査など)から頭を解放することで、他の思考に頭を使うことができます。というか単純記憶が私は徹底的にできなくて。
 
使ってください。 
 
 
診断基準の細かい数値は、小児のものが厚生労働省から出ています。

伝染性単核症とは

成人はこれを参考にしつつ診断してゆくことになります。

 

参考文献

1.厚生労働省伝染性単核球症 診断基準 

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/444-im-intro.html

 2.Infectious mononucleosis UptoDate referenced on 5/27/2019

3.当院小児科医とのdiscussion