Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

DICの型_超基本

DICの型

大原則① DICの治療は、原疾患の治療

大原則② DIC以外の病態でないか鑑別を

 

DICの原疾患の代表的なものは?

  • 感染症(Sepsis)
  • 外傷
  • 腫瘍(特にhematological malignancy)
  • その他(←これは毎回DDxリスト見ること) 

    

DICの鑑別の代表的なものは?

 

そのほかのDIC治療の全体像は?

Xigris (activaetd protein C) was once approved and used
→ denied with negative study, currently not used. 

Recombinant Human Thrombomodulin
→ controvertial 

 

本日、多施設ジャーナルクラブでDIC/リコモジュリンの論文をやりました。

その後に、DIC超基本振り返りをしました。

私がVMMC(Virginia Mason Medical Center)でたたき込まれた『型』が上記で、実際に臨床上今も使っています。覚えるのは上記のみ、理解のために下記。

 

大原則① 

DICの治療は?

リコモジュリン?Xigris (Activated protein C)?ではなくて

『原疾患の治療』が最重要。

なので、敗血症なら、さっさと血液培養採取、1回目の抗菌薬を可及的速やかに投与(なぜならば、抗菌薬の遅れ1時間ごとに死亡率7%↑*1
かつ

Source control:
例:

消化管穿孔なら手術を。
肝膿瘍ならドレナージを。
閉塞性化膿性胆管炎なら ドレナージを(ERCP or PTCD or PTGBD)
閉塞性腎盂腎炎なら尿管ステント留置を

 

大原則② DIC以外の病態でないか鑑別を

言い換えると、診断が間違っていて有らぬ方向に向かわぬように、本当にDICだよね?と考えること。

鑑別は?

HIT:

ヘパリン投与していないか? 投与している症例で血小板だけ下がっているなら HIT疑いで4Ts scoreつける。ヘパリン開始と血小板減少の時系列を把握する。「投与」していなくてもAラインやCVラインの圧バッグ内のヘパリンでも起こることあり。特に2回目以降のヘパリン曝露時)

TTP/TMA
ゲシュタルト:血小板低下。破砕赤血球(+)。
凝固正常。

 

 

 

 

 

*1:Kumar A, et al.: Duration of hypotension before initiation of effective antimicrobial therapy is the critical determinant of survival in human septic shock. Crit Care Med 2006, 34: 1589-1596.