黄色ブドウ球菌 菌血症の時の型
特に持続菌血症(血培から2回陽性)の時のWorkup.
黄色ブドウ球菌=Staph aureus=MRSAかMSSA
「あちこちにべたべたくっつきやすい」
脳:septic emboli
眼:眼内炎
心: IE(感染性心内膜炎)
肺:sepitic emboli
四肢:蜂窩織炎・膿瘍形成
関節:Septic joint
椎体:椎体炎・椎間板炎
腸腰筋膿瘍
CVルート:CRBSI
その他:
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上記が思いつけば、自然にすることは思いつくはず
脳:septic emboli →神経診察、体幹CTの時に頭部CTを含めることは妥当。状況に応じて脳MRI検討。
眼:眼内炎 → ベッドサイドで簡易視力検査(視界がもやもやしないか、片目ずつ字を呼んでもらうなど)。必ず眼科依頼を!!
心: IE(感染性心内膜炎)、心雑音、TTE(±TEE)
肺:septic emboli. CT撮像の時に評価
四肢:蜂窩織炎 → 四肢の診察:発赤・腫脹・疼痛・熱感ないか
関節:Septic joint →関節の診察:動かして痛くないか、発赤熱感(いわゆるhot joint)がないか。
椎体:椎体炎・椎間板炎:背中の叩打痛、体動時の痛み評価
CVルート:CRBSI → 菌血症の状況であれば、抜去が望ましい(全体像の中で考えること。CV free daysを設けられれば理想だが、CVがどうしても必要なら、菌血症がクリアランスされてから、入れ替えることを忘れないように)
ウチのまかないティーチング動画と連動!
★眼内炎を疑うこと、ROS(Review of systems)の聴取の有用性に関しては、
総説に一度書かせてもらいました。よければ読んでください。
病歴と診察で診断する感染症 | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院
「どこも異常ないんですよね~」 北野夕佳
ROSをとることで眼内炎を疑い、速やかにバンコマイシン硝子体注射を行うことで視力低下を来さずに治療し得たブドウ球菌敗血症の症例です。
患者さんが元の生活に戻っていただける、こんな医者冥利なことはないですから。