Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

脊椎の骨折

〇 Vertebral fx  脊椎の骨折

 

       3column theory で理解する

 

✓ Elderly compression fracture  圧迫骨折

   ➡anterior columnだけが崩れている

 

   ➡脊髄を支えているmiddle/posterior columnは大丈夫だから、

 

   ➡圧迫骨折であれば、体幹ギブスみたいなのはしなくてよいことが多い

 

 

✓ 交通外傷や骨粗しょう症の進んだ方のelderly fx 

 burst fracture  破裂骨折

   ➡anterior column だけではなくて、middle columnもやられているから、脊髄が  

    通っているところを圧迫しうる。不安定になるため、かなりの安静が必要。

 

 

おまけ: 

 

✓ chance Fx  チャンス骨折

   ➡体が腹部を支点にくの字に折れ曲がることで脊椎に強い屈曲力と伸延力がかか

    っておこる骨折

 

   ➡anterior columnの圧迫骨折と棘突起や椎弓、靭帯の水平断裂が同時に起こる

 

   ➡脊椎の不安定性が非常に高い

 

   ➡腰のみを固定する2点式シートベルトをしている時、衝突の衝撃で上半身が前

    方に強く倒れこむことで発生しやすい。

 

 

   ➡これらを知っておけば、整形外科医、放射線科医等とディスカッションをする

    のにわかりやすい。

 

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オピオイドを中止してよいか

症例:

   Bladder Ca  膀胱癌で痛みがつらい(尿閉)

    →オキシコドンが処方されていた

 

   尿道カテーテルを入れて、尿が排泄されたら痛みがなくなった。

    →オキシコドンの内服を中止してよいか?

 

  麻薬(opioid)

    中断→withdrawal symptom 離脱症状がでてきつい のたうち回るくらいつらい

 

 麻薬を止めていいかの判断

  →どれくらいの量をどれくらいの期間処方されていたか

 

2~3日前から処方→痛みがなくなればoff にしても OK

2~3ヶ月処方→痛みがなくなっても突然offは ダメ→withdrawal symptomでかなりつらい

   →∴漸減の必要性

 

 Withdrawal( 漸減 )でlethal(死にうる) なものは2つと覚える

   EtOH

   ベンゾ  どちらもGABA抑制系

 

 

麻薬の離脱は死ぬことは基本的にまれだが、とにかく「つらい」

Train spottingという麻薬中毒の若者の映画があるので、興味があれば見れば、麻薬系離脱の症状が覚えられます。

 

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遅発性腸管損傷

30M/F

交通事故 バイクvs 車 車 vs 車

  Femoral fracture 大腿骨骨折 / pelvic fracture 骨盤骨折 あり

    →整形外科的治療のため二次病院に転院した。

    →2-3日後に腹痛出現

    →peritoneal irritation sign 腹膜刺激症状陽性

    →CT free air+

    →三次病院に搬送

 

「遅発性腸管損傷」→その時には裂けないが、1日後、数日後に「腸が裂ける/破れる」

 

腹部にかなりの鈍的な力が加わった。

受傷のメカニズムで外傷を想起するのが大事

車なら? シートベルトが腹部を圧迫した

 

類似の病態

  ✓ 腸が裂ける

CFして、その時には裂けない。数日して避ける。

  ✓ 腸間膜の血管損傷 腸間膜の損傷

来院時の画像でfree airがなかったとしても、「遅発性腸管損傷という病態が起こりうる」ということを知っておく

 

高エネルギー交通外傷で入院したら、

  →翌日 絶対 「abd exam」=腹部触診!!! 

 腹膜刺激症状はないか かならず記録に残す

食事して、腹痛が出現しないか確認

  →問題なく退院となったら、

必ず、もしとてもお腹がいたくなったら、絶対に受診するようIC、記録する。

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下痢+血便

 症例:45歳M/F

 鑑別:

   ・虚血性腸炎 

   ・憩室炎-痛い、熱、血便じゃないことが多いが、炎症・感染が憩室炎の主病態

   ・憩室出血―痛くない、熱ない、炎症がおきてないけど血がたらりーっとでる。

 

          

 

   ・大腸がん

   ・炎症性腸疾患―クローン 下痢、イレウスになる。血便少ない

           UC 血便多い

 

   ・痔

   ・GIB(消化管出血)

   ・急性胃腸炎 

       下痢便が何回も出て、最後、粘膜切れて血が出る

         →ウィルス性

         →食物

       ➡頻度は多い

         →サルモネラ、キャンピロバクター、寄生虫

     

問診は大事

   S : Site, 場所 痛い場所指してください。

   I : Intensity, 下痢は1日何回位? 血便は1日何回? 便の性状?

   Q : Quality, 便に血が混じっていますか? 鮮血が出ますか?

 

   O : Onset いつから痛くなりました? 

      数日前なら急性胃腸炎、数か月前ならUC、クローンとかの可能性が高まる

   R : Radiation, 放散痛 

   A : Aggravating factors, 増悪因子 

   A : Alleviating factors, 寛解因子 

           A : Associated symptoms, 随伴症状  体重減ってない?食欲は?熱は?

           P : Previous similar episodes, 以前の類似エピソード CFしたこと? 便潜血?

       ➡陰性なら大腸Caのテスト前確率は低くなる

           T : Treatment at that time ,その時の 治療

 

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Neutoropenic Fever(NF, 好中球減少性 発熱)~MDS chemo中発熱

症例:

      MDS ケモ中  70M/F

      発熱/shock

 

血液腫瘍の主なもの: 

      ML 悪性リンパ腫

      AML/CML 急性骨髄性白血病/慢性骨髄性白血病

      ALL/CLL 急性リンパ球性白血病/慢性リンパ球性白血病

      MM 多発性骨髄腫

 

【血液内科疾患の発熱/ショック】

           key word  ;  neutropenic fever「好中球減少性発熱」

          好中球が少なくて、免疫が抑制された人の発熱

 

    Neutropenia 定義は好中球 <500  だけど<1000なら、少ないなあという感じ

               WBC×neutrophil(好中球) %

                     Stab:桿状球

             Seg:分葉球

       Ex.  WBC 3000      Stab 5%   Seg 10%

             3000×15/100=450   ➡好中球減少

 

  Vital    (体温 38.5度 血圧120/60 脈120 SpO2 99%RA  RR24)

        Neutropeniaの人の発熱だからヤバいと思わないといけない。   

         +    shaking(悪寒戦慄)はないか

         + Cx BUS(血培、尿倍、痰倍)  +全身診察 +レントゲン

         +   Neutoropenic feverだと思ったら バイタルは安定していると思っても

             抗菌薬は開始する

          抗菌薬:抗緑膿菌作用ある抗菌薬を選ぶ CFPM±VCM

     (VCMはMRSAの既往がない人は必ずしもいれなくていい。が、

             例えば蜂窩織炎ならVCM入れた方がいい)

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       抗緑膿菌作用のある抗菌薬 antipseudomonal antibiotics を覚える

          ✓ CFPM    

            ✓カルバペネム(メロペネム イミペネム エルタペネム) 

            ✓  CAZ セフタジジム 

            ✓  PIPC/TZ

         ✓【キノロン (レボフロキサシン シプロフロキサシン)】

                →Neutropenic feverではあまり使わない

       なぜCFPMなのか?

            Neutropenic fever の典型例

       25M/F AML   ケモ10回  

   このうちで何度も好中球減少性発熱を繰り返す。

   最初からメロペネムを使ってしまって多剤耐性菌が付いてしまうとつらい

   なので、セフェピムを使ってメロペネムは温存しておく

 

        Neutropenic fever のfocus

         ✓ はっきりしないことも多い 

 

        ✓   感染のフォーカスは、

       どこかに細菌がついて、白血球が走っていって、

               炎症が起こることではっきりする

       だけど、走っていく白血球がいないから、はっきりしない

 

           ➡レントゲンで肺炎像はっきりしない

           ➡ UTIでも 膿尿(白血球がいる尿)にならないこともある

       

        G-CSFを投与すべきか➡結論どっちでもいい

  ケモ中(neutoropeniaになる前)投与することで軽く済む可能性はある

  だがすでに好中球が減った状態でG-CSFを打っても有効ではなさそう。

        打ってもいいけど。

 

  G-CSFを打たないほうがいい状況 G-CSFは「好中球増えろー」という薬

    ➡ AML(myeloid系白血病※)

                   ケモでせっかく骨髄球系の芽球(=白血病細胞)を減らしているのに、

                    増やそうとしてしまう

 

  ※ WBC➡ myeloid(骨髄球)→こっちの系統の白血病 AML CML

            lympho(リンパ球)

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      ケモ中の予防の薬

         PCP:バクタ(ST合剤)

         真菌:フルコナゾール

         CMV活性化予防:抗ウィルス薬

 

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低酸素の急変対応

NPからのリクエスト企画: 

 

【症例】

68歳男性 眼科入院中

RRS SpO2 88% 酸素の指示が欲しいと病棟Nsからコールあり

 

鑑別をあげよ!

 

そのために・・・

もともとどんな人?

 既往:HTN obese

    眼科 今回糖尿病性網膜症のopeなら、全身の血管傷んでるだろうから

               心筋梗塞もありだなあ。

          →実際には既往歴がそれほどない症例の、角膜の移植術だった。

       →血管リスクはそこまで高くない・・・

 

【鑑別】

PNA ←opeで鎮静されて、誤嚥性肺炎 →熱? 痰? Crackle?レントゲン

 

CHF ←入院で何らかの原因で絶食、降圧薬止められてたりしたら、CS1 

          →BPレビュー、レントゲン エコーでBライン、エコーで心機能

 

COPD astma ←wheezeなければ、ほぼ否定

 

PE←ヘパCaいってた? どこまで調べる? 

    →D-dimer  TTE  ECG 下肢血管エコー 他が否定的なら造影CT考慮
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

Atelectasis→起こしてみる。太っていての受動無気肺なら起こしたら改善あるかも

 

鑑別が挙げられれば、対応できます!!

 

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AG開大性アシドーシス

AG=Na-(Cl+HCO3-)≒12

AGが開大しているacidosis   

    ✓ Gap acidosis

               ✓ アニオンギャップ開大性アシドーシス

       ✓  AGMA(Anion gap metabolic acidosis 日本語でアグマっていう人もいる)

 

 

不揮発酸が蓄積している状態

 

       Ddx :KUSSMALで覚える 

 

K ketoacidosis   DM性ケトアシドーシス、飢餓性ケトアシドーシス、

          アルコール性ケトアシドーシス

U  uremic acidosis   尿毒症

S Sepsis

S Salicylate    サリチル酸=アスピリン中毒

M metharol   メタノール中毒、

                      (およびそれ以外の中毒性アルコール:エチレングリコールなど)

A Alcohol   エタノール

L Lactic acidosis 乳酸アシドーシス

 

頻度が高いのは ketoacidosis    uremic acidosis    Lactic acidosis

 

【症例】

75M UTIで入院してその後AKI on CKD になって、腎代替療法の適応になって、当院に転院してきた。RRTをしたが、Gapが閉じなかった。

なんで?  

血糖150 DMでSGLT2内服してる。

 

透析しているからUremic acidosisはない。ガスでLactate(乳酸値) は大丈夫

入院してるし中毒じゃないよな。 Sepsisでもない。

つまり、ケトアシドーシスしか残らない。

→normo glycemic diabetic ketoacidosis  正常血糖糖尿病性ケトアシドーシス

 

DKAの治療はインスリン投与だが、血糖150にインスリン投与したら低血糖になる。

→糖液を投与しながら、インスリンをいれる

→Gapが20→15→12と改善した。

 

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AGが正常範囲のacidosis

    ✓ non-gap acidosis

               ✓ AG非開大性アシドーシス

            ✓ NAGMA(Non Anion gap metabolic acidosis  ナグマっていう人もいる)

 

【症例】

HCO3 17  AG=12

Ddx:HARDUPで覚える: 

 

H  hyperalimentation  TPN  

    →組成がよろしなくClが多いと高Cl(クロール)性アシドーシスになりうる

A   acetazolamide ダイアモックス  

R  尿細管性アシドーシス(RTA)

D  diarrhea 下痢 下痢(=腸液、HCO3を大量に含む)で、HCO3-を体外に喪失する。

U  urinary diversion  尿路変更術 尿路から腸管につないだ時、

                                  すさまじいアシドーシスになることがある

P pancreatic fistula  膵液はとてもこいHCO3液 →出しすぎるとアシドーシスになる

 

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