Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

over dose (急性薬物中毒) 超キホン

聞くこと/情報

  ①何を?  薬剤の種類、Extended release 徐放剤かどうか

 

  ②dose 何錠 処方なら処方箋、くすり手帳 

         市販薬なら空箱もってるか 空箱の写真とっておく

       

              ✓アセトアミノフェン 

       市販薬の総合感冒薬によく入っている。子供がシロップを間違って飲む

    

               ✓アスピリン

                         とんでもない、アシドーシスになる。吐いたらアルカローシスになる。

                          ARDSになる。多臓器不全になる。重症化する。透析必要になる。。。。

       

         ③いつ 何時間前 →内服後1時間なら胃洗浄を考慮してもよいかもしれない

 

         ④嘔吐?

 

          ⑤理由 自殺企図?誤って? 

 

本人は意識が悪くてわからない。一緒にいた人はいない。お母さんは1日前に話したけど、その後のいつの時点で飲んだのかはわからない・・・のように、

上記の情報が完全に取れない時もある。その場合にも「情報収集しようとxxの対応をしたが、現時点でわかる情報としての最大限はxxである」の内容を記録する。

 

カルテ記載例:

・本人からは何時に何を内服したか聴取できない

・最終健常確認は前日の18時にお母さんと電話で話している

・そのあとの、搬送時間本日14時の間のいつODしたのかは不明

・救急隊によると空薬きょうは、イブが二箱→写真取り込みしてあります。 など

 

透析適応(RRT)→CATMEAL

       C: カルバマゼピン カフェイン 

       A: Anticonvulsants(抗痙攣薬)

       T: テオフィリン

       M: メタノール →変なアルコール CH3OH

       E: エチレングリコール →変なアルコール HO-CH2-CH2-OH

       A: アスピリン C6H4(COOH)OCOCH3

       L: リチウム Li

          → 分子量が小さいのは透析で除去できる

 

活性炭の頻回投与になる薬物を知っておく→ABCD

       A: アスピリン アンテオフィリン キニン

       B: バルビツール βブロッカー

       C: カルバマゼピン CCB

       D: ダイランチン(フェニトイン)

 

拮抗薬が存在する薬剤・中毒・病態を知っておく

      ① アセトアミノフェン:NAC (Nアセチルシステイン)

  市販薬の中に結構入っている。「なんか市販薬ODしたらしいです。内容はよくわか         らないんですが、レベル悪いんですよね。」ほっといて肝酵素上がってくる・・・

       はよくない

 

      ② ベンゾジアゼピン:フルマゼニル(アネキセート🄬)

  注意点:ベンゾのODにフルマゼニルを打ったら、痙攣するかも。

      フルマゼニル投与はベンゾジアゼピン離脱を起こすのと同じ

               →例えば1/4 Aづつ様子を見ながら投与する

 

     SSRI/TCA併用していると、痙攣の閾値は下がる

 

      ③ 麻薬:ナロキソンでリバースできる

 

      ④ CO中毒:酸素投与

 

      ⑤ シアン中毒:シアンキット

 

      ⑥ メタノール

       エチレングリコール

   →代謝産物が毒性がある。アルコールデヒドロゲナーゼをブロックする

             フォメピゾールを使う。

             なければアルコールを飲ませるのも論理的には選択肢だが。。

 

       ⑦ βブロッカー、CCB:グルカゴン、fat emulsion(イントラリポス)→吸着する

 

バルプロ酸、カルマバゼピンなどODとしてよく遭遇するものは、マネジメントに抜けがないよう、up to dateなどで確認する「Overview of valproic toxicity」などで表1枚にまとめてくれている。ただしあらゆる薬剤に対してその表が存在するわけではない。

 

中毒情報センター:その施設で契約していれば、電話をかけると情報を教えてくれる。ただし、FAXが来るのにタイムラグ1~2時間あることは知っておくこと。当院なら救命受付に電話番号記載してある。

 

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勉強をどうしたらいいか‗リクエスト企画

内科・救急専攻医 に勧める、北野が思う勝ちパターン勉強法:

 

①何か1冊読破する=全体像が頭に入る。

 

  • 内科レジデントマニュアル(聖路加)
  • 練馬 総合内科マニュアル 青・赤
  • ワシントンマニュアル
  • 林先生 研修医当直御法度

 

通読して忘れても、なんかあったなと思いだす

まず林先生の研修医当直御法度を通読する

覚えられないことに対し、自己嫌悪にならずに通読すること。

 

②その他の自分用のまとめを何か作る
(膨大なまとめを作らない。業務上必須な事項・情報だけを数行でまとめる)

 

北野の場合は、

      大阪日赤時代・シアトルのレジデント初期: 紙ノート作成
          →ポケットに入りきらなくなり、シアトルのレジデントの途中でpalmという

             デバイスに入力に移行

          →Palmが帰国後、使えなくなりそうで、Evernoteに移行した

 

       Evernote の注意点は、出典を必ず書く

          →例えば、2020年にリチウムのover deseをUptoDateで調べてるな。

             久しぶりで、何か変わってるかもしれないからもう一度調べてみよう

             

             検索用の単語をいっぱい書いておく。

             Overdoseとだけ書いていたら、次にみつからないかもしれない。

           例えば中毒のまとめには、

           検索用の用語として:

                  Overdose、オーバードーズ、中毒、急性薬物中毒、アセトアミノフェン、

                  NAC、リチウム・・・

            を記載しておく→ 次に必要な時に必ず出てくる。

 

③誰か(後輩など)に、アウトプットする=一番定着する

  =「型」 急性薬物中毒の透析適応はCATMEALで覚える。具体的には・・・

           急性薬物中毒で、活性炭を頻回投与の適応になる薬剤がある。ABCDで覚える。               具体的には・・・など

 

①‘ その日に対応した項目を読む  

多すぎたら、毎日一ネタでもよいから読む。ここまでが『仕事』だという認識をもつこと!!!!

ルーチンがその人を形作る

Routine makes that person

 

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胸水のドレナージ適応

サンプル症例 

 パターン①:

50M/F 
SOB/DOE(Shortness of Breath/Dyspnea on Exertion)

     検診で胸水疑いで紹介されてきた。DM、HTN

 

診断的な胸水穿刺の適応:   

   胸水が溜まる理由がない人の場合、片側性、初発胸水で、安全に穿刺可能なら

   穿刺→胸水検体提出し評価する。

 

例外:明らかに心不全、両側胸水で利尿で改善するなら必ずしも胸水穿刺なくていい

 

   評価

    Exudate 浸出性:炎症  →鑑別:感染(細菌、抗酸菌)悪性腫瘍、自己免疫性

    Transudate  漏出性:「うすい胸水」

 

提出すべき胸水検体の検査:

Lightの基準に必要な検査:

  LDH(胸水と血清の比)

  プロテイン

  pH→ドレナージ適応の評価

  培養・グラム染色→ドレナージ適応の評価

  抗酸菌のPCRと培養

  細胞診

     結核を疑うならADA

 

 

 

パターン② 70M/F パーキンソン病 狭心症、DM CKD

SOB、発熱で来院

 

レントゲンで片側胸水中等量貯留あり。

 

胸水ドレナージの適応:

 膿胸/肺炎随伴性胸水 胸水のpH≦7.20

 胸水のグラム染色陽性

 胸水の培養陽性

 

何を使ってドレナージするか:

◆アスピレーションキットを挿入して、胸水検体提出してみたら、胸腔ドレーンの適応

 (例pH<7.20)が判明した場合、アスピレーションキットで胸水をほとんど廃液して    

 しまっていると、チェストドレーンがかえって挿入困難(∵残存胸水が少ない)に

 なることもある。

 

◆「ドレナージ適応」である場合には、アスピレーションキットではなく、

  チェストド レーンを入れる

  

チェストドレーン:側孔が複数あり、口径も太く、

 「細菌だらけの胸水すべてがドレナージできる」という感覚

再膨張性肺水腫 reexpansion pulmonary edema

矛盾する2つの要素:

 1)一気に胸水をドレナージしてしまうと、再膨張性肺水腫になりうる。

 2)sepsisのソースコントロールとしてはすべてドレナージした方がいい。

 

現実的な落としどころ:

 →まず1Lドレナージして、60分様子をみて呼吸状態が悪くなってなければ、

    さらに1Lドレナージする。

       ・・・というように、数時間かけてドレナージする。

 

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おまけ:結核疑いの質問:

 一般論:

       1)1回の痰(喀痰抗酸菌検査)では肺結核は否定できない。

    2)痰がでない結核性胸膜炎はありうる。痰は陰性で、胸水のみ抗酸菌が

              検出される。

 

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挿管いろいろ

実際のチューブを触ってみる。

例えば、テニスや卓球で試合の時だけラケット渡されても、困りますよね。

 

  挿管チューブ

     

手術室で使う挿管チューブは、カフ上吸引のないものが多い。何故なら数時間で抜管するから。病棟や救急で使うチューブにはカフ上吸引がついている。長く挿管されていることが予想されるから。

口の中からのタレこみがカフ上にたまり、少しずつその先にタレこんでいくので、吸引が必要。

 

  救急隊の使うLTチューブ

 

        

    ブラインドで挿管できる。

    食道に入ってもその上の穴から換気ができる

    気管に入れば普通の挿管チューブになる

 

  気切カヌラ

       

切開後日の浅い気切カヌラの交換はとても高リスクという認識をもつ。

初回は絶対に一人ではしない。

  →tract immature  瘻孔がしっかり完成していないから皮下に迷入しうる。

   入れ替えの前にはチューブからスタイレットがスムーズに抜けることを確認する

   チューブ交換後はスタイレットはさっさと抜く

 

 

録画切ってから

  ◆アジャストフィットの話をしました

  ◆挿管チューブの正しい位置の話もしました

               気管分岐部から3~5㎝上、かつ

               大動脈弓 aortic nobよりも下。

  ◆チューブと首の位置の関係の話もしました

               Chin down tube down       

               Chin up, tube up.

 

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CPA

ACLS

       ✓ Non shockable (PEA, Asystole)

                CPR

                換気

                3-5分毎のエピネフリン 

 

      ✓ Shockable (VT(pulsless)  Vf)

                 Shock DC

                 CPR

                 換気

              3-5分毎のエピネフリン

 

     これらを行う間に原因検索をする。

         6H&5T

 

   6H

  Hypovolemia→ルート確保、細胞外液全開投与

       Hypoxia→挿管、100%酸素投与

       Hydrogen ion→採血 アシドーシスではないか。補正を考慮してもよい

       Hypo / Hyperkalemia →補正を検討してもよい

       Hypoglycemia→低血糖なら50%糖液靜注してもよい

       Hypothermia→体温を測る

 

5T

  Tx PNTx →皮下気腫ないか、胸郭左右差ないか、lung sliding消失していないか。 

              →緊張性気胸なら脱気する。

      Tamponade →心のう水がたまっていないか→溜まっていれば心のう穿刺を検討

      Thrombosis (ACS, PE)→心エコー D-shape※になっていないか

      Toxin→入院中なら今日投与した新しい薬ない? 間違って何か投与してない?)

      Trauma

 

                                    ※ D-shape

                                      

 

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ショック 超キホン

ショック4分類
   Hypovolemic
         Distributive
           Cardiogenic
           Obstructive
自分で模式図を描けるようにする
学生から研修医への transition として、典型例のゲシュタルトがいえるようにする。


①Cardiogenic=broken pump

 

例:

 

    ✓ ACS→EF↓ 左の主幹動脈が詰まって左室のEFが落ちて心原生ショックになる

 ✓ myocarditis(心筋炎) 何らかのウィルス感染が先行してEFが落ちて

         心原生ショックになる

 ✓ Valvular heart dz

       ・ASが徐々に進行して low output syndromeになる

  ・MVP mitral valve prolapse 僧帽弁逸脱症→tendon rupture検索断裂

       ・ACS→papillary ruputure乳頭筋断裂

 

②Obstructive shock= blocked pipe →3つ

     ・Tx PNX


  ・cardiac tamponade

    

   ・PE

 

③Distributive shock = dilated tank

  1. Septic shock
  2. Neurogenic shock
  3. Anaphylactic shock

 

④Hypovolemic shock=leaking pipe

 血が漏れてる系

   体外に漏れる:trauma,  vaginal bleeding,  GIB

        体内に漏れる:MAP

      M massive hemothorax 大量血胸→エコーで液体があるかどうかみる

                      A   abdominal cavity 腹腔内→エコーでみる

                        Pelvic cavity 骨盤腔内

 

 滲出液が漏れている系

   体外に漏れる:熱傷 発熱 小腸ストマ

   体内に漏れる:胸水 膵炎 腹膜炎

 

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抗血栓薬の適応疾患を把握しましょう

サンプル症例

70M 心疾患既往あり

今回、下血or 上部消化管出血で来院

  →出血性疾患だから抗血栓薬のホールドを検討

 

もともと何に対して抗血栓が入っているかを把握する

       狭心症・PCI後→抗血小板薬

       Afib→DOAC

       弁置換後→ワーファリン

 

たとえばPCI後の人の場合

      → この人の抗血小板薬は止められない or  数日ホールドできるかも

    を考えるための情報を得る

 

      → PCIをいつごろやった? 例えば直近の(2週間前など)PCIなら、

        ホールドしたくない。

         7年前のPCIなら数日止めることを検討できるかも。

 

ステントがどこに入っているかの把握 

      #1 #6に入っている。結構近位冠動脈に入っている

 

    7年前にいれている。

  今出血で困っているから、短期間止めることを循環器と相談する、など。

 

半減期を理解する

        アスピリン:irreversible不可逆的なCyclooxygenase inhibitor=抗血小板作用 

        アスピリンを体に入れたら、アスピリンが接した血小板はその血小板の寿命の間

         抗血小板効果がある。

         血小板の寿命は7日間だから、今日アスピリンを飲まなくても、

  ほとんどの血小板はアスピリンが効いている。消化管出血を止めるまで、

  今日、明日くらいはアスピリンをとめていただいて、止血できたら、

  アスピリン再開で行こうかと思います、的な相談を循環器とする。

 

 

抗凝固薬:心房細動の抗凝固は脳梗塞予防。脳梗塞率はおよそ年3%くらいといわれている(CADSVASCスコアにもよるが)

出血で困っているなら抗凝固を数日止めてもしかたない。本人、家族に脳梗塞予防の薬を止めます。その間に運が悪いと脳梗塞になります。出血で重症になる可能性と、

1日0.数%脳梗塞になる可能性とどっちをとるかを判断する必要があります

一瞬でも止めたらだめなのは古い機械弁。

止めたら弁機能不全で急死する可能性もある。

弁のタイプなどの情報を得る。心外科や、循環器と相談する

 

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