フィジカルアセスメント大全_学研メディカルサポート_CareNetTV配信
身体所見、まともに、継続的に、ルーチーンで取りたくないですか?
そういう医者に、なりたかったですよね?
「いくつになっても『ずっとやりたかったこと』をやりなさい」という本があります(わたしは読んでないですが笑)。
毎日、初診や新入院の患者さんをさらさら~~っと流れるように全身診察してゆく医者になりたくないですか?
自分の診療で抜けてないと自信を持てる臨床家になりたかったですよね。
できました!
「フィジカルアセスメント大全」
作成:学研メディカルサポート
監修:北野夕佳
配信:CareNetTV
この講師陣、すごくないですか?!
↓↓下記CareNeTVから「第18回 通しの全身診察の型」を無料で視聴できます。
※ケアネットの会員登録(無料)が必要
身体診察は、極めるときりがないですが、あまりに広げすぎると実行不可能・継続不可能になります。そういう意味でとても簡潔にminimumにしてあります。
ほかにも習得すべきこと無数にあります。だからこそ「終わりのある身体診察習得」にしたくないですか?
これなら、できます。
この素晴らしい講師陣と作成した動画コンテンツを、皆さんの施設でぜひフル活用していただきたく、身体所見テンプレートも
からの許可も得て、公開しておきます。
ぜひダウンロードして施設標準として活用していただければ本望です。
【感染管理 超基本の『型』教育動画YouTubeに公開しました】
【感染管理 超基本の『型』教育動画作成しました!!YouTubeに公開しました】
聖マリアンナ横浜市西部病院では残念ながらCOVID19の院内感染が起こってしまいました。同じ法人として、大学(聖マリアンナ医科大学病院)、多摩(川崎市立多摩病院)に患者受け入れ含め、多大なサポートをいただきました。
個室化する改築、COVID19を含めた新診療体制の構築・マニュアル作成と並行して、「職員全員に感染管理の『行動変容』がおこらなければ再発は防げない」との信念のもと、下記を作成して職員全員の必須聴講としました。当院の院内用に作成したものですが、どこの施設でも必要とされる内容と思います。
JSEPTIC & CCPAT COVID-19共同情報提供サイト
http://ccpat.net/sccm-covid-19-resources-jp/
にも掲載されます。
困難をよりよい改善につなげるのが、院内感染が発症した当院の責任であり使命だと思って力を合わせて作成しました。
ぜひ、皆様の施設でも活用ください。
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本コンテンツは、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の救命救急センター/感染制御室の有志で作成した、感染管理の重要事項を学ぶための動画コンテンツです。(非営利目的)
WHOでも勤務歴のある日米の感染症専門医の監修を受けています。
新型コロナウイルス感染症の診療にあたって、当院で働くすべてのスタッフが知っておくべきことを共有する目的で作成しました。
全国の医療施設での感染管理教育現場で、参考にしていただければ幸いです。
*注:手洗いのうた動画に関しては、花王株式会社様の了承をいただいております。
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター/感染制御室
資料作成責任者:北野夕佳・斎藤浩輝
院内感染管理教育動画コンテンツ一覧
①COVIDの基礎知識
https://youtu.be/lWOTGXihxoc
②WHOの5つのタイミング
https://youtu.be/YoP0FHqioU8
③手指衛生実践シナリオ
https://youtu.be/5Ka5N38kjgs
④手指衛生実技
https://youtu.be/e_-noU7HXKE
⑤ゾーニング
https://youtu.be/EfJoFyN9TiU
⑥PPE:個人防護具の着脱について
https://youtu.be/DbmIbqpsYU0
NPPVは移動・搬送用の機器ではない‗注意事項
当院で作成したマニュアルです。
各施設でもかならずダブルチェックの上、活用ください。
NPPVは移動・搬送用の機器ではない‗注意事項
当院で作成したマニュアルです。
各施設でもかならずダブルチェックの上、活用ください。
TRALI (Transfusion-related acute lung injury、輸血関連急性肺障害)
数週間前に、他科の患者さんで、血漿交換後に急性に呼吸不全を呈してお手伝いした症例がありました。もともとRoom air→急性呼吸不全となり8Lリザーバーで92%、CXRで両側肺水腫(++)。典型的なTRALIと思われます。私も医者人生で2例目です。頻度が少ない疾患だからこそ「型」で定着させましょう。
TRALI の型:
(Transfusion-related acute lung injury、輸血関連急性肺障害)
- 概念:輸血中or後の6時間に起こる急性両側性肺水腫/肺障害
- 輸血中の呼吸不全を見たら、TRALI, TACO, アナフィラキシーを疑う → 心不全の評価、アナフィラキシーの評価、他のARDSの鑑別(※1)
- 即、輸血中止→ 血液バッグ残しておく(重要!)
- 治療はARDSに準ずる(※2)。
- 輸血室or血液センターに連絡して指示に従う(→輸血前/後の血液検体提出を指示されるので、残検体を残しておくよう検査室に連絡する:重要!)
※1 のために、ARDSの原疾患の型「ARDSPT」を使います↓↓
※2 ARDSの標準的治療は?も書いてあります。 ↓↓
型同士がつながってくるでしょ?
【ARDSの型_超基本】
日本赤十字社のWEBにも、ARDSの誘引として評価するべきより広いリストが載っています(出典2)
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上記の型をteachingしたら、うちの超優秀な後期研修医跡部かおり先生が下記をまとめてくれました。
『理解』するためには下記、最後に頭に入れる『型』は上記。皆で成長しましょう。
輸血中もしくは輸血後まもなく起こる急性の呼吸不全。輸血に含まれるドナーの白血球や抗好中球抗体で起こるとされている。症状:輸血中or輸血後急性の呼吸不全、低血圧、発熱、頻脈など診断基準:
- 輸血中or輸血後6時間以内の急性発症
- 低酸素血症
- CXRでの両側肺浸潤影
- 過負荷や左房圧上昇所見なし
- 輸血前に ALI/ARDS なし
- 輸血以外のリスク因子なし
・輸血中であれば速やかに中止
・酸素投与や人工呼吸器での呼吸サポート
- UptoDate Transfusion-related Acute Lung Injury referenced 20191212.
- 日本赤十字社>輸血の副作用>非溶血性副作用
http://www.jrc.or.jp/mr/reaction/non_hemolytic/trali_taco/
DOACまとめ_2019版
どのDOACが
PE/DVTに適応あり? 80才以上禁忌はどれだったけ?
などなど、覚えられないので当院の超優秀な薬剤師さん達(中薗健一さん、勝綾香さん)とともに、以前にまとめを作りました。
2019年版をアップデートしましたのでシェアします。
ご自身でも必ずダブルチェックの上、ぜひ日常臨床に活用ください。
ICU管理の超基本
ICU管理の超基本:
F Feeding
A Analgesia
S Sedation
T Thromboprophylaxis
H HOB30
U Ulcer prophylaxis
G Glycemic control
+Tubes & Lines
+De-ICUを忘れずに
- Sedation vacation
- If you can use the gut, use the gut.
Parenteral nutrition→increased risk of infection.
Prolonged NPO →increased risk of stress ulcer.
Enteral epithelial atrophy→bacterial translocation- Glycemic control 140-180mg/dl (rather than 80-110mg/dl)
- Transfuse if Hb <7.0 (in medical ICU pts without active bleeding or active coronary problems)
- DO NOT FORGET REHABILITATION
ICU管理の超基本を先日やりました。覚えるのべき「原則・一般論・型」は上記だけです。
そのときのしゃべったことのニュアンスを全部書くのは困難ですが、上記が理解できるように、なるべく書いておきます。
F Feeding:
この方の栄養はどうなっているんだっけと考える。その時の一般論が下記:
- If you can use the gut, use the gut.
Parenteral nutrition→increased risk of infection.
Prolonged NPO →increased risk of stress ulcer.
Enteral epithelial atrophy→bacterial translocation
集中治療管理下でも腸管が使えるなら腸管をつかうのが原則(if you can use the gut, use the gut).
なぜならば、TPNは感染のリスクも上がる。腸管を使わないと腸管上皮が萎縮する。
もちろん、消化管穿孔・汎発性腹膜炎術後などで当分(例:1週間以上)腸管が使えなさそうなことが予測されるなら、経静脈栄養を開始するメリットの方が大きい。
A Analgesia
S Sedation
この方の鎮静/鎮痛のはどうなっているんだっけと考える。
時代の流れは(私が研修医だった20年前など)、「鎮静=例ベンゾジアゼピン」だけで眠らせていた
→ 'analgosedation'の考え方が主流に=「鎮痛=例フェンタニル」を中心に。必要に応じて鎮静を追加。RASSー2目安。
ベンゾジアゼピンよりもプレセデックスの方がせん妄が少なそう(※2)。
(ただし、プレセデックスは血圧↓ 脈拍↓であり、敗血症性ショック極期などには使いにくいことも多い)
’sedation vacation’を行う:
daily awakeといわれることもあり、用語はどれでもOK。
「ずっと深鎮静のまま」ではなく、毎朝sedation(=例 ミダゾラム)をオフにして意識レベルを確認、可能ならその時にリハビリも合わせるとベスト。
どうしてずっと眠ってもらっていてはいけないの??
→ 鎮静が蓄積して、抜管できる状況になっても鎮静が延々さめないリスク
意識レベルの評価や神経所見の評価ができない
T Thromboprophylaxis
DVT予防忘れずに:
ヘパリン皮下注vs フットポンプ (ICD interminttent compression device, SCD sequential compression deviceと呼ばれることも ※1)
H HOB30
ギャッジアップ30度を忘れずに ∵VAP予防
U Ulcer prophylaxis
消化性潰瘍予防を忘れずに (挿管管理48時間以上など)
G Glycemic control
血糖コントロールは 140-180mg/dl (rather than 80-110mg/dl)
+Tubes & Lines
プレゼン(orカルテの最後)に、tubes& linesを必ず入れる=把握する。挿入日も含めて。
記載例:挿管チューブ(8/26)、右内頚CV(8/31)、左鼠径バスキャス(8/26)、尿道カテーテル(8/26)、右橈骨Aライン(8/31)
+De-ICUを忘れずに
私がVMMCのICUローテーションでたたきこまれたのが この'de-ICU the patient' という概念。
私たちがICU管理で行っていることはすべて必要だったことであり、それがなければ救命できなかったのだが、「必要悪」だということを忘れないようにする。言い換えると必要なくなったらICU状態から解除してあげる(=de-ICU)ことが次の大事な仕事であることを認識する。
つまり、「挿管しているけれど、いつ抜管できるだろうか」「バスキャスは・Aラインは・CVラインは必要だったけれども、今日も必要だろうか」を毎日評価して判断する。必要ないと判断したらすみやかに抜去する。
どうしてde-ICUが次の大事な仕事なのか??
- 長引く挿管管理→ VAPのリスク
- 長引くバスキャス、CV、Aライン→ CRBSI (catheter associated blood stream infection)のリスク
- 長引く尿道カテーテル→ CAUTI (catheter associated urinary tract infection)のリスク
- 長引く鎮静→ ICU-AW (ICU acquired weakness)のリスク (∴リハビリ必須)
- 長引くベッド上安静/不動化(immobilization)→ DVTのリスク (∴リハビリ必須)
「肺胞出血の血漿交換」や「体外循環」や「人工呼吸器の詳細なモード」などを詳細に習得することと同じくらい(時にはそれ以上に)この平凡な基本を抜けなく確実に (being thorough)行うことをVMMCのICUでは強調して教育され、私はそれは患者利益に直結すると実感しています。
ぜひ、使ってください。
【北野夕佳+ 藤谷茂樹ボス監修】
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あまり重箱の隅ならぬように、すこしだけ。
※1: DVT予防のmechanical methods (フットポンプ)はエビデンスはあまりない。∴「フットポンプにしているから大丈夫」ではなくて、「ヘパリン皮下注にしたいけれど現時点では出血のリスクが高いため投与できない。その間はフットポンプにする。出血のリスクが問題なくなればヘパリン皮下注に速やかに切り替える」という思考過程を持つこと。同じくearly mobilization(早期離床=リハ)の重要性も再認識を。
※2:プレセデックスは、大規模StudyであるSPICE III studyでは有用性は実証されませんでしたが、せん妄に関してはベンゾジアゼピン類やプロポフォールよりは過去の論文では有用性が示されています(またエビデンス、変わるかもしれません)