Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

COPD急性増悪 超基本

SpO2ゴールどうしたらいいですか?の質問

→ 

UptoDate 88-92%

Pocket Medicine 90-93% 

なので、そのあたりで。

 

COPD急性増悪マネジメント

 

まず診断:

COPDの人、COPDがありそうな人(喫煙歴++)の、

  • 呼吸状態の悪化(RR、SpO2、Wheeze、努力様呼吸、体動困難、CO2溜まればレベル低下)
  • 感染兆候(なくても良いが。膿性痰の増加、発熱など)
  • Wheeze ++

 

心不全との鑑別:

BNPは、右心系の圧上昇でも高値になるため、BNP高値で心不全に飛びつかないこと!!

頚静脈もどちらでも怒脹しうる。

 

COPD急性増悪のマネジメント

ABCアプローチ

A Abc

B bronchodilator

C corticosteroid 

NiPPV: 挿管リスクを下げるといわれており、迷ったら装着を。

適応あれば挿管検討を。

 

COPDERという語呂もあり Pocket Medicineより 

C corticosteroid

O oxygen

P prevention インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン(今ならコロナワクチンも)

D dilatter  気管支拡張薬 β刺激の吸入、抗コリンの吸入

(E experimental ブラ切除術など)

R rehabilitation 

 

ステロイドの量:

UptoDate 2022年12月 reviewed. 

mPLS 60-125 mg q6-12h  (severe exacerbationのとき)

mPSL 40mg 5-14days (外来レベルの時) 

 

しょっちゅう変わりますから、大まかに把握しておくので良いと思います。

 

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聞くと覚えやすいですから。

うちの院内ティーチング動画上げておきました↓ 

COPD急性増悪マネジメント超基本 - YouTube

 

 

 

 

 

グラム染色超基本① GPCとGNRだけ覚えましょう

全部覚えようと思うと、気が遠くなります

 

1)まず、この4つの引き出しがあることをまず覚えます。

GPC グラム陽性球菌

GPR グラム陽性桿菌

GNC グラム陰性球菌

GNR グラム陰性桿菌

 

Gram positive/negative cocci/rods 

 

2)臨床上問題となる頻度が高い菌としては、GPCGNRがほとんど、と一旦simplifyして覚えます。

 

3)GPC:グラム陽性球菌には

下記の3つがあることを覚えます。

 

① ブドウ状球菌 GPC cluster   

→ 黄色ブドウ球菌(Staph aureus)と、非黄色ブドウ球菌(CNS coagulase negative staphylococcus)がある。

黄色ブドウ球菌の中に、MSSAとMRSAがある

 

② 双球菌 diplococci 

→これは 肺炎球菌のみ知っていればOK Streptococcus pneumonia

 

③ レンサ球菌 GPC in chain 

→ ここにレンサ球菌、腸球菌

 

 

4)GNR グラム陰性桿菌には 下記の2種類がいるとまず覚える。

 

① Enterobacteriaceae (腸内細菌属ブドウ糖発酵菌="fermenter"と呼ばれる)

 Enterobacteriacaeの中に:「EKP」 E.coli, Klebsiealla, Proteusなどがいる

ピンクでぼってりした桿菌

 

② "nonfermenters"=ブドウ糖非発酵菌

Nonfermenter の中に Pseudomonasなどがあり。

ピンクでひょろりとした桿菌 

 

第一段階はここまでで。

動画もあります↓ 

グラム染色超基本① GPCとGNRだけ覚えましょう - YouTube

 

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コロナ(COVID19)治療全体像 超基本 

COVID19治療全体像 超基本 (吉田英樹Drより)

 

ウイルス感染初期

抗ウイルス薬は、適応があれば投与すれば有効な可能性高い

・外来:ラゲブリオなど (Day5まで)

・入院:レムデシビルなど

ただし、感染初期=ウイルスが増殖しているphase のみ有効。

 

酸素需要あり

肺の「炎症」を抑える必要ありなので、

カヌラレベル    → ステロイド追加

フェイスマスクレベル→ IL6阻害薬 or JAK阻害薬

 

入院する症例なら抗凝固投与

ヘパリン皮下注orクレキサン皮下注 

 

わかっている人からの情報は、頭がすっきり! 

また変わるかもしれませんが、最新版について行っている人からシンプル・明確な情報で、良い医療をしましょう!

2022年12月現在 

 

うちの院内レクチャー動画も上げてあります↓ 

コロナ(COVID19)治療全体像 超基本 - YouTube

 

 

 

 

髄膜炎疑いの時の初療_LP?BCx?ABx?

髄膜炎疑いの時の初療_LP?BCx?ABx? 

 

髄膜炎疑い(特に細菌性髄膜炎疑い)症例の時

 

一般論・前提:

  • 抗菌薬の遅れは神経予後の悪化につながりうるので、一刻も早く抗菌薬を投与したい
  • 腰椎穿刺をして培養検体を採取したい
  • 腰椎穿刺を安全に施行できるのかは、頭部CTが必要か??
  • 頭部CT→腰椎穿刺→抗菌薬では 抗菌薬投与が遅れてしまう、のジレンマ 

 

UptoDateに、アルゴリズムがありますから、必ず一度めをとおして理解してください。

Management algorithm for adults with suspected bacterial meningitis

 

一度理解したことがあって、頭に入っていて念のためダブルチェックする、のは有用ですが、髄膜炎疑い症例が来てからUptoDateで適応を調べるのは、臨床として遅すぎます。

 

1)LPして問題なさそうな症例

  • 意識レベルクリア
  • 神経学的局所症状なし
  • 痙攣なし
  • 免疫不全なし
  • 以前の中枢神経感染症の既往なし 
  • 乳頭浮腫なし

(もちろん、腰椎穿刺が安全にできるかも並行して評価:出血傾向、安静保てるかなど)

 

上記すべてを満たしていれば

血液培養、LP→ 抗菌薬開始(DEXA+ABX※)

 

2)LP施行することに懸念のある症例

上記のいずれかが陽性

 

血液培養→抗菌薬(DEXA+ABx※)→頭部CT→LPの禁忌がなければLP

 

論理がわかっていれば、理解・定着しやすいと思います。

 

※細菌性髄膜炎(疑い)の時は、

デキサメサゾンを抗菌薬に先行or同時投与

 

髄液検体は 常温保存(∵髄膜炎菌は冷蔵で死滅しやすい)

 

髄液検体のPCRは、抗菌薬投与後でも陽性になる可能性が上がる。FilmArrayなど。

 

細菌性髄膜炎血培陽性率は50~90%(UptoDate reviewed on 2022/12)

 

 

 

 

 

 

 

 

聞くと理解しやすいと思います。動画も上げてあります↓ 

 

髄膜炎疑い症例の初療 LP?BCx?CT?ABx? - YouTube

 

 

 

 

 

 

 

 

黄色ブドウ球菌 菌血症の時の型 

黄色ブドウ球菌 菌血症の時の型 

特に持続菌血症(血培から2回陽性)の時のWorkup.

 

黄色ブドウ球菌=Staph aureus=MRSAかMSSA

 

「あちこちにべたべたくっつきやすい」

 

脳:septic emboli

眼:眼内炎 

心: IE(感染性心内膜炎)

肺:sepitic emboli

四肢:蜂窩織炎・膿瘍形成

関節:Septic joint

椎体:椎体炎・椎間板炎

腸腰筋膿瘍

CVルート:CRBSI  

その他:

 

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上記が思いつけば、自然にすることは思いつくはず

 

脳:septic emboli →神経診察、体幹CTの時に頭部CTを含めることは妥当。状況に応じて脳MRI検討。

眼:眼内炎 → ベッドサイドで簡易視力検査(視界がもやもやしないか、片目ずつ字を呼んでもらうなど)。必ず眼科依頼を!!

心: IE(感染性心内膜炎)、心雑音、TTE(±TEE)

肺:septic emboli. CT撮像の時に評価

四肢:蜂窩織炎 → 四肢の診察:発赤・腫脹・疼痛・熱感ないか

関節:Septic joint →関節の診察:動かして痛くないか、発赤熱感(いわゆるhot joint)がないか。

椎体:椎体炎・椎間板炎:背中の叩打痛、体動時の痛み評価

腸腰筋膿瘍→ 腰痛、体幹部CTの時に評価

CVルート:CRBSI → 菌血症の状況であれば、抜去が望ましい(全体像の中で考えること。CV free daysを設けられれば理想だが、CVがどうしても必要なら、菌血症がクリアランスされてから、入れ替えることを忘れないように)

 

ウチのまかないティーチング動画と連動!

黄色ブドウ球菌 菌血症の時の型 - YouTube

 

 

 

 

★眼内炎を疑うこと、ROS(Review of systems)の聴取の有用性に関しては、

総説に一度書かせてもらいました。よければ読んでください。

病歴と診察で診断する感染症 | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

「どこも異常ないんですよね~」 北野夕佳 

ROSをとることで眼内炎を疑い、速やかにバンコマイシン硝子体注射を行うことで視力低下を来さずに治療し得たブドウ球菌敗血症の症例です。

患者さんが元の生活に戻っていただける、こんな医者冥利なことはないですから。 

 

 

 

 

 

 

 

 

入院中の血糖管理 考え方 SSI、CVIIなど 

入院中の血糖管理 考え方 SSI、CVIIなど 

(特に急性期疾患で入院する症例)

 

知っておくべき一般論:

 

1)スライディングスケール(SSI)は、今後血糖がどうなるかわからない人、今後、絶食・欠食・遅食の可能性がある人には良い(当院もSSIで始めることが多い)

 

ただし、血糖がジェットコースター(上下変動激しい)になる可能性はあり。

 

2)長時間作用性インスリンが効きすぎていないかは、眠前血糖→翌朝の血糖値の差で見るのが良い。

 

3)Glucose sourceが持続→インスリンも持続

Glucose sourceが間歇→インスリンも間歇 が基本。

 Glucose sourceが持続(例:経腸栄養持続投与、ソルデム3AG持続点滴など)で、SSIでカバーすることはあります(それだけのためにCVIIするメリットがあまりないような、血糖コントロールにそれほど難渋しなさそうな症例など)

ですが、

Glucose sourceが間歇で、CVII投与は、低血糖を来すリスクがあり危険なので基本的に行ってはいけません!!!

(もちろん、DKA治療中などは例外)

 

4)腎機能悪化→インスリン作用増強する。

(透析になるとインスリン需要が減ることが多い)

 

)糖尿病教育入院の血糖管理と、別の急性期疾患で入院した時の血糖コントロールは「別物」と思っておいた方が、頭が整理されると思います。

糖尿病教育入院=外来の厳密な管理を調整するための目的

外来の厳密な管理の目的は?

Microangiopathyの予防 

  • し 神経  neuropathy
  • め 眼          retinopathy
  • じ 腎臓 nephropathy      この順番に出現する

参考に、Macroangiopathyは?

  • ACS
  • 脳血管
  • ASO

 

 

 

SSI sliding scale insulin スライディングスケールインスリン投与

CVII Continuous venous infusion of insulinインスリン持続点滴投与

Glucose source:糖の投与源:食事、経腸栄養、経静脈の糖入り輸液(ソルデム3AG、ビーフリード®、TPNなど) 

 

ウチのまかないティーチング動画と連動。

こういうのは、文字で追うより動画見たほうが良くわかるから

入院中の血糖管理 考え方 SSI CVIIなど - YouTube

 

入院中の血糖管理vs 外来管理・教育入院管理との違い・概念理解

入院中の血糖管理vs外来管理・教育入院との違い・概念理解 - YouTube

も、質問があったのでまとめておきました。

  

肺胞出血・喀血の鑑別 

肺胞出血・喀血の鑑別 

 

肺胞出血を来す思いつくべき疾患
SLE
ANCA関連血管炎
GoodPasture (anti GBM disease)


喀血の鑑別 BATTLECAMPで覚える
B Bronchiectasis気管支拡張症
A Aspergillosisアスペルギルス
T TB結核
T Tumoro肺癌、転移性肺癌
L Lung abscess肺膿瘍
E Embolism肺塞栓
C Coagulopathy凝固異常
A Alveolar hemorrhage肺胞出血、AID Autoimmune disease自己免疫性疾患
M Mitral stenosis 僧帽弁狭窄症および一般的な心不全・肺水腫
P Pneumonia 肺炎(およびBronchitis気管支炎) 

 

 

 

覚えることは、上記のみ。
ウチのまかないティーチング動画と連動

肺胞出血・喀血の鑑別 - YouTube

動画見たら「これだけ覚えればあとは思いつけるようになる・動けるようになる」の意味が分かると思うので、見てくださいね

 

ANCAの組み合わせがどうしても覚えられない人のための動画も作っておきました。

ANCA抗体覚え方 - YouTube

MPOANCA→ 好酸球(-) MPA

     → 好酸球(+) EGPA ChurgStrauss

PR3ANCA→ GPA(Wegener)

 

MPA microscopic poliangiitis

EGPA  eosinophilic granulomatous poliangiits

GPA granulomatou poliangitiis