Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

2017-01-01から1年間の記事一覧

Correct coagulopathyの引き出し

前回、脳出血症例を書きました。 その中に「correct coagulopathy(出血傾向があれば補正)」があったと思います。 今回は、その引き出しの中に入れるべき「型」=「5分間ティーチング」を書きます。 Correct coagulopathyの引き出し: 常に内服薬の確認:抗凝…

脳出血の初期マネジメント_超基本

先日、x月x日 北野が救急外来で診た症例です。 60歳代女性、もともと高血圧、肥満あり。1人で買い物中、歩き方がふらふらしていた。そのあと床に崩れ落ちるように倒れてレベルJCS 100。救急搬送。意識レベルE1V2M4、瞳孔5㎜/2㎜両側緩慢、右上下肢動き悪い…

アルコール症のスクリーニング

(だんだん、書きたいことが多くて長くなってしまいました。時間がなければ、箱の中の「型」だけ活用してください) サンプル症例1:前回のTreatable dementiaにアルコールが出て来たけれど、何を聞けばいいの?(内科外来パターン) サンプル症例2: 特に…

ステロイドカバー

サンプル症例:80歳代女性、10年前に関節リウマチと診断。現在、3年前よりPSL 6mg/日+免疫抑制剤を内服している。自宅で転倒し、右股関節痛、体動困難で来院。X線で右大腿骨頸部骨折と診断した。3日後に人工骨頭置換術を予定されている。周術期でのステロイ…

ADL iADLの評価 DEATH SHAFT

前回と同じサンプル症例を出します。 サンプル症例: 70歳男性 サンプル1)最近、外に出かけることなく、受け答えも鈍くなってきた。認知症なのではないかと心配になった家族とともに受診(内科外来パターン) サンプル2)この3週間ほど、受け答えが鈍くな…

’Treatable dementia’ 認知症疑いの中で治療しうるもの

サンプル症例: 70歳男性 サンプル1)最近、外に出かけることなく、受け答えも鈍くなってきた。認知症なのではないかと心配になった家族とともに受診(内科外来パターン) サンプル2)この3週間ほど、受け答えが鈍くなってきた。言動もおかしい。お手洗い…

貧血のアプローチ その2

x月x日 私の診た救急外来症例です。 (本ブログの症例はすべて、医学的本質を変えずに周辺の事柄を事実と変えてあります) 70歳代男性、本日の主訴は自宅内で転倒、前額部打撲・挫創。「けっこう血が出たので心配になってね」と、救急外来に受診。 「意識消…

貧血のアプローチ

症例:70代女性。肺炎で入院時にHb 7.0 g/dLを指摘された。今後、どのように精査を進めればよいか。 貧血精査の一般論: 貧血精査は、網赤血球 Reticulocyteの測定(Reticulocyte indexの計算)から開始し、他の血球系の異常も確認(状況に応じて、末梢血液…

CV(中心静脈カテーテル)抜去時の注意点

症例:70代男性。敗血症性ショックの管理のために、右内頸静脈から中心静脈カテーテルを挿入されていた。ショック離脱し、カテコラミンを離脱できたため、本日カテーテルを抜去することとした。抜去のときに注意すべきことは? 空気塞栓を予防するために、必…

破傷風トキソイドの適応

サンプル症例 30代男性が、バイク単独事故で搬送された。JATECにのっとって診療し、全身の擦過傷はあるが、骨折はなかった。 Q:破傷風の予防のために、何を評価すればよいか? 傷があるときには、 ①きれいな傷かそうでないか、を診察 ②規定の3回/追加接種…

5分間ティーチングとは_本ブログの使い方

本ブログの使い方 このブログは、 患者利益を最終目標として、日々の臨床業務を抜けなく安全に回せるようになるために必要な、覚えるべき知識 を整理して発信することを目的としています。 そのため、細かいエビデンスにこだわった内容ではなく、妥当性のあ…

このブログの使い方 !!! 必読 !!!   

読者、特に研修医・若手の先生方へ、 以下を読み、ベッドサイド5分間ティーチングの目的をかならず理解したうえで本ブログを活用してください。 5分間ティーチングとは、「臨床上必須の事項を」「シンプルな」「型」として「自ら言語化=アウトプットできる…

5分間ティーチング ブログ始めます。

ベッドサイド5分間ティーチングのブログを始めることにしました。 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 救命救急センターの北野夕佳です。 総合診療~総合内科~救急など、いわゆるGeneralistのカバーすべき領域は膨大です。 その患者さんの、生活背景もふ…