サンプル症例:
75歳女性 femoral neck fx (大腿骨頸部骨折)で入院day2
明後日、THR(total hip replacement 人工股関節全置換術)予定
PMH(既往歴) ✓ Afib on DOAC (心房細動でDOAC内服中)
✓ HTN(hypertension)
✓ DM on SGLT2 (糖尿病でSGLT2内服中)
夜勤のあなたに
「患者さん嘔気、嘔吐です」とコールあり。
〈 Step 1〉常に鑑別疾患を考える
ddx (differential diagnoses)
-GI(Gastrointenstinal 消化器)
GU/DU(gastric ulcer 胃潰瘍, duodenum ulcer 十二指腸潰瘍)
AGML
胆石発作(choy=cholecystitis 胆のう炎)
Perf ? (perforation 消化管穿孔)
SMA thrombosis 上腸間膜動脈血栓症
-ACS?(acute coronary syndrome 急性冠症候群)
―Stroke? (脳卒中) ICH intracranial hemorrhage 頭蓋内出血
CH cerebral infarction 脳梗塞
TBI ( traumatic brain injury 外傷性脳損傷) 転倒の時に頭を打ってるかも
―DKA? (diabetic keto acidosis 糖尿病性ケトアシドーシス )他のmetabolic(代謝性)
低Na 高Ca など
―drugs? 麻薬➡嘔気、嘔吐(fentanyl フェンタニルなど)
合成麻薬(ソセゴンなど)➡嘔気、嘔吐
〈Step2〉ddx が思いつけばすることは思いつく
GI:腹部触診
排便の記録確認
胆石が疑わしいならエコー LFT(liver function test 肝機能)→T-bil, AST, ALT
ACS:胸痛の有無
ECG
CE(cardiac enzyme 心筋逸脱酵素) CPK-MB, troponin
➡初回-でもACS疑いなら3-6時間後に再建
Stroke:neuro exam 神経診察
瞳孔、顔面左右差、バレー、mingazzini(femoral neck fx だとできないが)
かつ記録すること
TBI(traumatic brain injury 外傷性脳損傷):頭部に打撲痕ないか。
入院時にhead CTとっているか
DKA? Metabolic ? :採血(血ガスを含む)
〈Step 3〉
もしcriticalなものがみつからず、対症療法の方針にするなら、
✓ 制吐剤
メトクロプラミド(プリンペランⓇ)
いずれもDOPA拮抗作用 メトクロプラミドは中枢作用が強い
ドンペリドンは末梢作用中心
もしPD( parkinson disease パーキンソン病)なら、ドンペリドンを使用
cf. オンダンセトロンの保険適応は、
✓ chemo(化学療法)中の嘔気、嘔吐
✓ 術後の嘔気、嘔吐 のみ
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常にddxは3つのCで考える
C:common (頻度が多い)
C:critical(重篤)
C:curable ( 治療できる)
サンプル症例で
「ソセゴンの嘔気でしょうね」(評価ほとんどせず)
「プリンペランオーダーしときます」という対応は
8 割くらいの確立で大丈夫かもしれないが、いつか、
「先生が昨夜対応してくれた症例さ、
パターン1)明け方レベル低下して脳出血だったわ
パターン2)明け方頻呼吸、ショックになって、DKAだったわ
パターン3)明け方血圧が下がって、STEMIだったわ
などになりうる。
