Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

鉄欠乏性貧血 IDA

■症例

65歳女性

既往歴:HTN DLP 喘息 

 

主訴:歩くとしんどい

 

現病歴:近くのクリニックで採血したら、Hb9.0 MCV68であったため、西部病院に紹介受診となった。

   小球性貧血 ➡鑑別:鉄欠乏性貧血、慢性炎症性貧血

 

検査CBC(∵WBC,PLT➡多系統の異常がないか)

血清鉄 フェリチン TIBC 

Reticulocyte➡つくってないのか、こわれているのか

生化➡例えばCre5で腎性貧血になってないか

 

➡➡結果: 鉄20  フェリチン<10  TIBC High ➡➡IDA確定 

 

Management:原因検索 出血:消化管→血を吐いたり、黒色便がないか患者に確認

急性の失血を疑うなら(大量下血やバイタル不安定など)、造影CTも選択肢

 

慢性の失血→ 失血していそうな状況を確認する:

失血しうる場所:月経 皮下出血 血尿 消化管など

月経量はパット何枚くらい必要か聞く。

消化管からじわじわ出る→潰瘍、胃がん、大腸がん

 

① IDA in non-menstruating patient should have GI malignancy workup

(月経がない患者(=男性or 閉経女性)の鉄欠乏性貧血をみたら、消化管がん(胃がん、大腸がん)を精査しなさい) 10人に1人くらいだったはず。

 

② 鉄剤内服すれば、鉄欠乏性貧血は著明に改善することが多いが、それで消化管がんが否定されたわけではない。消化管悪性腫瘍の精査を忘れない。

 

 

参考:ACD(Anemia with chronic disease慢性炎症性貧血)の典型例:

小球性 Fe↓ TIBC→正常~ちょっと低い フェリチン→正常かちょっと高い 

例:心不全COPD、ガンなどでずっと具合が悪く、鉄がうまく使えなくて小球性貧血になるパターン

 

youtu.be