Dr.Yukaの5分間ティーチングブログ

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 北野夕佳の5分間ティーチング連載ブログです。日々の臨床で必要な知識を「型」として蓄積するブログです。

腹水穿刺

   ■手技をする際には、必ず1回何かその手技の総説を読む。
    稀な合併症、禁忌、一般論を知る。耳学問だけは危険。


    〇本当に腹腔穿刺が必要か。
    〇凝固確認
    〇画像をとっていたら確認
    〇ope scarの近くは避ける。∵癒着の可能性があるから。
    〇腹水穿刺の一般論


   どこを刺す? 大体この変・・・というのはダメ
   臍―上前腸骨棘 をむすんだ外側1/3 ➡McBurney or 逆McBurney


    注意:腹直筋外縁は下腹壁動脈が走っているから避ける 

        ∴McBurneyなら下腹壁動脈から離れている


      臍より上は避ける。→肝臓、脾臓が呼吸で下がってくる。

 

   〇穿刺の時のコツ

    ・ゆっくり進める。ゆっくり刺せば腸管は(癒着していなければ)

     逃げてくれる可能性が高い

 

    ・腹水吸引できて、外筒残したら吸引できなくなった。

      ✓外筒が腹壁内にあることがある。

        ➡腹水ひけたところから、ゆっくり3㎜~5㎜進めて内針を抜く

 

      ✓腸が外筒に張り付いていることがある。

        ➡針を回すなどして陰圧を解除する。

 

      ✓そんな時の別手段として、

        外筒からガイドワイヤーを入れて、アスピレーションキットの

        カテーテルを挿入する。

     (ピッグテールになっていて穴がいくつかあるから、

      どこかの穴に腸がはりついてもその他の穴から腹水が引ける)

 

        ➡治療的腹水穿刺をしてあげたいのであれば

         アスピレーションキットを入れる方が良い

 

 

          〇診断的腹水穿刺➡SBP、腹腔内転移とかの除外 検体採取目的

         

          〇治療的腹水穿刺➡お腹が張ってくるしいなど、腹水を減らしてあげたい時。

               

                ➡いくらでも抜いていい?

    
              血管内からplasmaが腹腔内に漏れ出てくる

                ➡血圧低下、尿量低下など
                ➡1Lまでにしておきましょうかとか、状況をみつつ行う。



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